前回の投稿で身体の体内時計のズレが睡眠に影響を与え、ズレを調整してくれる大きな要因として光を浴びる重要性についてお伝えしました。
現在国際基準では、睡眠障害は64種類存在し大別すると7種類に分けられます。
(不眠症・睡眠関連呼吸障害群・中枢性過眠症群・概日リズム睡眠・覚醒障害群・睡眠時随伴症群・睡眠関連運動障害群・その他睡眠障害)
その中でこの様な状況下で生じる睡眠障害は、前回お伝えした体内時計のズレによるもの(概日リズム睡眠・覚醒障害群)だと考えられます。
本日は、自身の睡眠状態を実際にチェックし年代別に生じやすい症状をお伝えしていきます。
皆さん、「寝付きが悪い・寝ている途中で目が覚める・朝はやくに目が覚めてしまう」といった症状はありませんか? もしくは今までに経験されたことはないでしょうか?
これらの症状は全て、不眠症による症状なのです。
不眠症は、大きく3つの症状に分けられます。
入眠障害:床についてから30分以上寝付けない
中途覚醒:夜中に何度も目覚める、再び眠るまで時間がかかる
早朝覚醒:予定した起床時間よりも2時間早く目が覚める
これらの症状は寝不足が連日続くと生じてきます。一夜や数日で終われば大きな問題にはなりませんが不眠症状が習慣化・慢性化されることは認知症の発症リスクを高めてしまいます。
では、皆さんの不眠状態を実際にチェックして見ましょう。
今回、用いるのは不眠の自覚症状評価法で世界共通の標準的尺度であるアテネ不眠尺度(AIS)を使っていきます。
点数はいかがでしたか?
合計24点満点のうち4点未満が睡眠障害の心配はなく、6点以上は不眠症が疑われます。
問診の中で患者さんへ睡眠状態を問うことがよくあります。
高齢患者さんから、「早く起きてしまう・朝に目が覚めてしまう」といった訴えをよくお聞きすることがあります。
皆さん、このような症状を経験されたことはないでしょうか?
昔は、よく眠れたのに…
歳を重ねると起きる時間帯が早まり睡眠時間が短くなったという方も多いかと思います。
こちらは不眠症状を年代別に表したデータになります。
ご覧の通り、入眠障害では年代的な差はそれほどみられませんが中途覚醒や早朝覚醒の症状は高齢になるにつれて増加傾向にあります。
なぜ、歳を重ねるとこれら症状が出現してしまうのでしょうか?
前回お伝えした体内時計のズレによるものも関係しますが大きく2つ理由が考えられています。
睡眠中は、身体が活発的に代謝活動しています。基礎代謝が落ちてくると睡眠を維持する力が弱くなり早く目覚めてしまいます。
若い時ほど初体験のことが多いため睡眠中にはたくさんの情報を処理しなければなりませが年齢を重ねると経験が積まれどんな事でも今までの経験と知識で対応できるようになっていきます。
そのため、
睡眠中に情報を処理する必要がなくなることも原因の一つと考えられています。
前回お伝えしたメラトニンに関しても年齢と共に減り分泌される時間が前倒しになっていきます。
そのため、
早くに眠くなったり、就寝時間が早まる傾向があります。
睡眠の質を高めるには、
どうすれば、分泌時間を遅らせることができるのでしょうか?
一般的な改善方法をご紹介いたします。
これらの方法はすぐに実践できるものなので自分にあった方法を継続してみて下さい。
次回は、就寝前ルーティン・就寝前のマッサージ方法をご紹介していきます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
<参考文献>
・熟睡の習慣/西野清治
・高齢者の睡眠を守る/井上雄一
・あなたの人生を変える睡眠の法則/菅原洋平
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