学校の臨時休校、在宅勤務が続き今までとは違う生活スタイルを余儀なくされ様々な息苦しさを感じているかと思います。
自分や家族が感染しないように常に気を張っている…という状況が続いているかと思います。
このような初めて経験する環境下で生活していると心身ともに不安な気持ちになりがちで健全なメンタルを保つことがむずかしくなります。
最近では、
感染予防や免疫力UP方法などの記事や特集も組まれ健康への意識・関心が日に日に増しているかと思います。
今後、我々が”自身で健康予防・防止”を行っていかなければなりません。
最近、通院されている患者さんから
「寝付きが悪い、眠りが浅い、夜中目が覚める、昼間眠気に襲われる」など
睡眠に対する悩みの声をよくお聞きします。
皆さん、
長期自粛生活を余儀なくされると生活リズムの乱れや就寝時間のズレは生じていないでしょうか?
本日から数回にわたり睡眠に関する知識・情報を投稿していきたいと思います。
国民調査によると、
日本人の睡眠平均時間はおおそそ7時間前後と言われ、”5人に1人”は睡眠に何らかの問題を抱えていると言われています。
これだけ多くの割合の国民が抱えている問題の多くは解明されていません…
ここで睡眠の役割を確認しておきましょう。
睡眠の役割には大きく5つあります。
睡眠がとれていないと心身ともに大きな影響を与えます。
これまでに寝室環境を整えたり、食事や運動など様々な方法を試してみた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん、様々な方法があるためその人にとって合う・合わないがあるかと思います。
様々な情報が散見される中で正確な知識を把握し、自分に合った方法を模索することが睡眠の質を高めるために必要不可欠になります。
私たちの祖先であるホモサピエンスは、日の出とともに起き、日の入りとともに眠る生活をしていました。
かつての人類は、太陽の日差しの中でリズムを形成しながら生活していたのです。
こうした環境で何十万年も暮らしてきたからこそ私たちの身体には日中、太陽の光を浴び、夜は薄暗い中で過ごすことが身体にとって最高の状態で働いてくれるようにできています。
ご周知の通り人間は地球の自転周期に合わせて24時間サイクルで生活をしています。
人間の身体には概日リズムという24.2時間周期ではたらく睡眠・血圧・ホルモン調整など行う機能が司っています。
これらは、日々の生活の中で両者のサイクルにズレが生じていきます。
ズレが積み重なると先述したような症状が出現し、睡眠へ影響を与えます。
この概日リズムを人間は、脳と身体の中にある体内時計で感知しており、さまざまな方法で体内時計をリセットすることができます。
リセット方法には
朝食をとること、仕事・学校にいくこと、朝運動することなどがありますが最も効果的な方法が朝に光(特に日照)を、瞳の網膜に入れることです。
朝一番に網膜に入った光が、体内時計をリセットしてくれる仕組みは昔から変わりません。
体内時計をリセットするには、2500ルクス以上の光を浴びるとリセットされると言われています。
曇りや雨の日でも約1万ルクス程度の明るさがあるので体内時計は十分にリセットされます。
コロナウイルスの影響から学校の臨時休校、在宅勤務といった今までとは違う生活スタイルを余儀なくされていると次第に体内時計のズレが生じやすくなります。
ぜひ、皆様も朝起きたらカーテンを開けて陽ざしを浴びましょう!!
体内時計の調整には、ホルモンも関係していますが光との関係で重要な役割を担うホルモンの一つにメラトニンがあります。
メラトニンは眠りを促すホルモンとも呼ばれ、通常夜間に分泌されます。
分泌されると体温が下がり、眠くなります。
メラトニンは、光刺激をうけると分泌を抑制する特性があります。
本来、
強い光を浴びるはずのない夜間に光を浴びる生活をすることはメラトニン合成を阻害し、眠くなるべき時間に覚醒状態が続いてしまいやすいのです。
そのため、就寝前や夜遅くまで明るい環境でパソコンやスマホを使用することは体内時計のズレを生む要因にもなるため減らしていく必要があるのです。
しかし、必ずしも就寝前に人工光を浴びることが睡眠の妨げになるとは言い切れません。
夜遅くまでディスプレイを操作していることで視覚と脳が活動し続け、脳の過緊張状態がほぐれないといった理由もあります。
逆に言うと、昼間ボーッとしている時には、人工光を浴びることで脳の覚醒度を高めることもできるのです。
つまり大切なことは、
太陽光を浴びる機会が減り、不規則な生活になりがちな今だからこそ、自身のケアに目を向け良質な睡眠を手にしてください。
本日、ご紹介したことは簡単なことばかりなので、明日から試してみてください。
次回は、不眠症について・年代別に陥りやすい症状と改善方法をご紹介していきます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
<参考図書>
・熟睡の習慣/西野清治
・高齢者の睡眠を守る/井上雄一
・あなたの人生を変える睡眠の法則/菅原洋平
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